自律神経は心臓や血管、胃腸、汗腺など内臓諸器関の働きを調整している神経で、脳の指令を受けずに独立して働くことから自律神経と呼ばれます。
自律神経には交感神経と副交感神経がり、内臓の働きを調整する際に、それぞれの神経の末端から神経伝達物質を分泌します。交感神経(アドレナリン)は背骨(脊椎)から均等にでており、副交感神経(アセチルコリン)は首(頚椎)と仙骨から出ています。
交感神経から分泌されるアドレナリンは、心臓の鼓動を速め、血管を収縮させて血圧を上げる作用があり、心身を緊張・興奮させて、戦闘態勢モードに入ります。
これに対し、副交感神経から分泌されるアセチルコリンは心臓の鼓動を遅くし、血管を拡張して血圧を下げ、体のスイッチを休息・リラックスモードに入れるとともに、臓器の分泌・排泄の働きを促進する作用があります。
心身がリラックスしていて、笑いすぎた時に涙や唾液が出るのはアセチルコリンが細胞の分泌・排泄を促しているためです。
自律神経は内臓iだけでなく、身体を病気から守る白血球の働きも調整しています。
白血球の中の顆粒球には、アドレナリンに反応するレセプター(受容体)があり、リンパ球にはアセチルコリンに反応するレセプター、マクロファージにはアドレナリンとアセチルコリンの両方に反応するレセプターが備わっています。
レセプターは細胞膜上にあるタンパク質の分子で、ある特定の物質を選んで結びつく性質があります。
つまり、顆粒球にアドレナリンのレセプターがあるということは、顆粒球には交感神経(アドレナリン)に反応して活性化し、リンパ球は副交感神経(アセチルコリン)に反応して活性化することを意味しています。
※ 交感神経が優位になると、顆粒球が増えて活性化する
※ 副交感神経が優位になると、リンパ球が増えて活性化する
この[交感神経ー顆粒球][副交感神経ーリンパ球]というチーム編成は、生物が安全に暮らす上で、とても理にかなったもので、日中の活動時(交感神経優位時)は手足のキズを負いやすく、キズ口に細菌が侵入する機会が増えるため、サイズの大きい細菌を食べてくれる顆粒球にいてもらった方がよく、反対に夜間の休息時や食事の消化吸収・排泄時は消化酵素で分解された異種タンパクやウイルスなど微小な異物が口や消化管から入ってくるが、サイズが小さいため顆粒球では対応できません。夜間は微小な異物処理を得意とするリンパ球の出番となります。
自律神経と白血球の連携によって、体の環境変化に応じて最も効率よく体を守るようになっています。
交感神経と副交感神経のバランスが安定しているとき、顆粒球とリンパ球の比率は、顆粒球54〜60%、リンパ球35〜41%になり、病気に対する抵抗力も保たれます。
交感神経と副交感神経はシーソーのようにバランスをとって働き、体を安定した状態に保っていますが、自律神経はストレスなどの影響を受けやすく、バランスを崩すと交感神経が一方的に緊張するようになります。
交感神経の緊張は、さまざまな障害を引き起こします。
@ 顆粒球増多、活性酸素の大量発生による組織破壊
体内では、呼吸で得た酵素から発生する活性酸素、細胞の新陳代謝から生ずる活性酸素など、さまざまなルートで活性酸素が産生されますが、活性酸素の比率としては、顆粒球から放出されるものが全体の7〜8割を占めます。
したがって、顆粒球の増加により組織破壊がすすむことになります。
これが、ガンをはじめとして炎症性の病気や胃潰瘍・腸炎・歯槽膿漏・痔・潰瘍性大腸炎などの病気をひきおこすことになります。
A 血流障害
アドレナリンは血管を収縮する作用があるため、持続的にアドレナリンの作用を受けることによって全身で血行障害がおこります。
血液は全身の細胞に酸素と栄養素を送り、老廃物や体にとって不要なものを回収しますが、このサイクルが阻害されることで細胞に必要な酸素や栄養が行き届かず、老廃物が停滞するようになります。
発ガン物質や有害物質が蓄積すれば、発ガンを促すことになり、痛み物質や疲労物質がたまる事で、痛みやコリの症状が現れます。
B リンパ球の減少
交感神経の緊張によって、副交感神経の支配下にあるリンパ球の数が減り、働きが低下します。
ガン免疫で中心的な働きをするキラーT細胞の数が減り、戦力が低下します。NK細胞は数は増えるものの、ガンを殺すときに使うパーフォリンを分泌できなくなるため能力が低下し、再生細胞のガン化を促進してしまうことになります。
C 排泄・分泌能の低下
副交感神経の働きが抑えられるため、臓器や器官の排泄や分泌機能が低下し、便や尿が排泄しにくくなったり、各種ホルモンの分泌異常が起こるようになります。
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